長崎大学大学院医歯薬学総合研究科
天然物化学研究室

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ポリフェノールの構造と機能に関する研究


 体内で過剰の活性酸素ができると、癌、動脈硬化、心筋梗塞、脳出血、糖尿病、腎臓疾患など多くの病気の原因となったり、症状の悪化を引き起こすことが分かっています。最近、日本や欧米で盛んに研究されているポリフェノールは、日常的に摂取することで健康維持に効果があることが科学的にも認められていますが、これはポリフェノールがDNAなどより速く活性酸素と反応して、活性酸素による障害から生体を守るからと考えられています。ポリフェノールはいろいろな植物に含まれる成分ですが、お茶、赤ワイン、柿、ブドウ、チョコレートなどの食品にも含まれています。

  私たちの研究室では、食品や薬草など、いろいろな植物から、タンニンポリフェノール化合物を分離して、その化学構造を明らかにすると共に、ポリフェノールの反応性、共存物質との相互作用などを分子レベルで検討しています。
 
  その1つとして、紅茶製造時における茶カテキンが酸化されるメカニズムの化学的解析があります。紅茶は人類が水の次に多く飲む飲み物とさえ言われますが、その主成分であるポリフェノールの構造は未だに分かっておらず、そのために健康効果などの機能性研究は緑茶に比べて大きく遅れています。この研究は,ポリフェノールの酸化について理解するもので、単に紅茶成分の解明だけでなく、植物はなぜ大量のポリフェノールを作るのか、ポリフェノールが持つさまざまな生物活性はどのようなメカニズムで引き起こされるのかといったことにも関連する非常に重要なテーマです。


生の茶葉から紅茶ができるときのカテキンの変化(イメージ)


紅茶ポリフェノールの成分解明についてはこちらのページをご覧ください。


 この他,新しい機能物質としてポリフェノールを応用することをめざして研究を展開しています。たとえば

   ●ツバキやイチゴ茎葉などの成分解明と機能性の研究
   ●ビワ葉と茶葉を用いた新しい機能性茶の開発
   ●ポリフェノールと無機化合物をナノレベル層間に入れた機能性材料の創製
   ●脂溶性ラジカルを消去作用する油に溶けるポリフェノール誘導体の合成
   ●機能性の高いオリゴメリックプロアントシアニジン濃縮法の開発
   ●高分子プロアントシアニジン断片化によるオリゴメリックプロアントシアニジン製造法の開発

などの研究を行っています。



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