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長崎薬学史の研究
 
ホーム薬の歴史長崎薬学史の研究第一章近代薬学の到来期>シーボルトの点眼薬

シーボルトの点眼薬

 シーボルトはベラドンナを使って瞳孔を開かせて眼科手術を行い、日本の医者を驚かせている。 ここでは宮崎正夫氏の「シーボルトの散瞳点眼薬」(薬史学雑誌, 29, 469-482 (1994))をもとに、彼が使った点眼薬の処方について紹介する。

処方箋1
眼病の男の人へ
  ベラドンナエキス 0.65g
  アヘンチンキ 20滴
  塩酸重土(塩化バリウム)  1.3g
  ローズ水またはカミツレ水 124.4g
  
処方箋2
鳴瀧のソウヤへ
  ヒヨシアムエキス 0.39g
  ローズ水 62.2g
 
シーボルトは点眼薬に次のような薬を配合している。ほとんどが毒草である。
  亜鉛花 瞳孔を散大
  ベラドンナエキス 瞳孔を散大
  ヒヨスエキス 瞳孔を散大
  シキュータエキス(ドクニンジン) 瞳孔を散大
  ジギタリス 瞳孔を散大
  烏頭煎(トリカブト) 瞳孔を収縮
  塩酸重土 腺の閉塞
  錦葵花 緩和剤

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ベラドンナ(左)とヒヨス
   
長崎大学