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薬の歴史
 
長崎薬学史の研究
 
ホーム薬の歴史長崎薬学史の研究第一章近代薬学の到来期>シーボルトが来日時に持って来た薬

シーボルトが来日時に持って来た薬

 シーボルト来日時にみやげ物と一緒に持ちこんだとされる薬品類。実際に医療に使用するためか、脇荷と呼ばれる個人貿易品(オランダ東インド会社の規則では禁止されていた)であったのかは不明。

ラヘントル (拾六瓶)
   ラベンダー油(Lavender, Lavendel)矯味、矯臭、駆風薬
壱番マグネシア (四瓶)
貳番マグネシア (拾九瓶)
   軽質酸化マグネシウムと重質酸化マグネシウム
   制酸薬、下剤
エスセンス (百五拾六瓶)
   何のエッセンスか不明 
カラムブステイルレンテトロッフ (五拾瓶)
   小児のひきつけの薬
スウエートテレ・イヘレレトロッフ (五拾瓶)
   発汗薬
ヲウデリユセ (参拾壱瓶)
   気発剤
ホルトカル油 (四拾七フラスコ)
   オリーブ油  軟膏の基材など
ホフマン (三合)
   ドイツの薬学者フリードリッヒ・ホフマン創製の甘草エキス
ヲクリカンキリ (拾升五合)
   ザリガニの胃の中に出来る結石(主に炭酸カルシウム)制酸剤 
シナ (五斤)
   キク科シナ花。駆虫薬
ウエイン・ステーン・シュウル (七斤)
   清涼剤 酒石酸 利尿薬
ヲンデルソウ (拾六斤)
   硫酸ナトリウム(芒硝) 下剤
サルアンモニヤン (拾六斤)
   塩化アンモニウム 下痢止め・去痰
テレメンテイン油 (拾斤)
   テレビン油 皮膚刺激薬として神経痛などに外用
芦薈 (拾四斤)
   アロエから取る液汁を濃縮、固体にしたもの。健胃・下剤
痰切 (百弐拾参斤)
   乾燥した甘草の根をアルコール抽出エキスを濃縮しドロップ状に固めたもの。 
   咳止め・去痰薬
細末キナ (九斤)
   南米原産のキナの樹皮の粉末 苦味健胃・解熱・抗マラリヤ
   キニーネやキニジン(重要な医薬品)の製造原料
   
長崎大学