お薬の歴史資料館

お薬の歴史資料館
所蔵資料
 お薬の歴史資料館と柏葉会館には、薬に関する貴重な歴史的資料(薬に関する書物、薬の製造に用いた道具、生薬標本など)が展示されている。その中の主要なものについて紹介する。
オランダ薬局方 Neerlandica Altera (1871)
オランダ薬局方 Neerlandica Altera (1871)
オランダ人薬剤師ゲールツ(1843~1883)が書いた日本薬局方草案の原書とされるもので、オランダライデン大学より寄贈された。
本草綱目(ほんぞうこうもく)
本草綱目(ほんぞうこうもく)
中国、明代に李時珍によって集大成された薬物書。動植鉱物性薬物、1,362種を分類し、語源、形状、産地、加工法、薬効や処方に至るまで詳細に記載した。この書物を、林羅山が慶長十二年(1607)、長崎で入手し徳川家康に献上した。江戸時代の本草学は、この書物の研究に終始したといわれるほどの漢方の古典である。
大和本草(やまとほんぞう)
大和本草(やまとほんぞう)
貝原益軒が各地を回り、実際に得た知識を基に編纂した書で、宝永六年(1709)に刊行された。日本の民間薬やオランダ渡りの薬など、1,362種におよぶ和漢洋の動植鉱物が収載されていて、実証学的色彩の強い書。
らんびき
らんびき
南蛮医学とともに伝来した蒸留器。傷口の洗浄用蒸留酒や、植物精油などのほか、化粧用香油水をとるなど広く使われた。
薬研(やげん)
薬研(やげん)
生薬は原料植物を原形のまま用いることはほとんどなく、ほとんどの場合に、細かくカットしたり刻んで用いる。薬研は材料を砕き、細粉するために用いられた道具で、金属製や木製のものがある。取っ手を持ち、円盤を前後に動かして中身を砕く。
神農像(しんのうぞう)
神農像(しんのうぞう)
神農とは中国古来伝説上の皇帝で、百草をなめて薬となる植物を究めたと言われることから中国では医薬の祖神とされ、日本にも渡来した。体は人で頭は牛、口に薬草をくわえていたと言われるが、中国製や日本製のもので様々な像がある。特に漢方医宅や薬園に奉られた。
生薬標本 犀角(さいかく)
生薬標本 犀角(さいかく)
神農とは中国古来伝説上の皇帝で、百草をなめて薬となる植物を究めたと言われることから中国では医薬の祖神とされ、日本にも渡来した。体は人で頭は牛、口に薬草をくわえていたと言われるが、中国製や日本製のもので様々な像がある。特に漢方医宅や薬園に奉られた。
「出島のくすり」展覧会の様子
「出島のくすり」展覧会の様子
長崎市立博物館に本学所蔵の歴史的資料を展示し、薬研やらんびきの実演、シーボルトの処方箋の再現、昔の写真術(写真右下)なども行われた(2000年)。