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薬物治療学研究室について



 大学院医歯薬学総合研究科生医療科学専攻展開医療薬学講座の一つである「薬物治療学分野」では,薬剤師免許を有する博士課程の大学院生の講義,臨床実習および研究指導を担当します。著しく進歩を遂げる臨床医学に対応できる質の高い臨床薬剤師の養成とともに,学位論文のための基礎的から臨床的にわたるトランスレーショナルな研究を指導します。臨床薬剤師になっても研究で修得した科学の視点で臨床の現場を見つめ,そして問題解決できる思考法を身につけてもらうことを目標としています。
 教員の塚元教授と近藤准教授は内科医および形成外科医として,それぞれ実際の臨床の場でも活動しています。本研究室では,所属の大学院生や学部学生に対し,日頃の研究活動だけでなく,臨床を知る教員とのディスカッションを通して実際の医療現場を実感してもらえるように努力しています。

研究テーマ Research Theme

 

 
1. 人の体質を決める遺伝因子の同定
 
 病気になりやすい人となりにくい人,あるいは病気になって重症化しやすい人とそうでない人がいます。これらの人(体質)の違いの一部は遺伝子の違いに起因します。病気のなりやすさに寄与する遺伝子をその疾患の感受性遺伝子といいます。感受性遺伝子が同定されると,遺伝子診断に応用したり,その疾患の病態解明につながり,そしてこの感受性遺伝子を標的とした新しい治療薬の開発に繋がります。
 また、ある治療薬が効きやすい人と効きにくい人,第一選択薬が効きやすい人と第二選択薬が効きやすい人,あるいは副作用が出やすい人とそうでない人がいます。これらも体質の一つであり,同様に遺伝子が関わっています。このような体質に関連する遺伝因子(薬剤応答性や副作用感受性遺伝子)を同定することは個々に最適な医療を提供する個別化医療につながります。
 本研究室では遺伝学的な手法を用いてこれらの人の体質に関わる遺伝因子を同定し,さらに,これらの遺伝因子がどのように人の体質に影響を与えるのかを分子生物学的な手法を用いて明らかにしています。
 
2. 薬物治療の判断材料となる遺伝子診断の確立
 
 1で明らかにした体質に関連する遺伝子を用いて遺伝子診断を行います。これによって副作用のない,そして治療効果の高い治療薬を選択する判断材料を提供できます。これは個別化医療(テーラーメイド医療)の実現に繋がります。
 
3. 抗がん剤の薬剤耐性の分子機構の解明と克服剤の開発
 
 抗がん剤の耐性機序の分子生物学的解明とその機序に対抗する克服剤を開発しています。これにより既存の抗がん剤と克服剤を併用することで更なる治療効果の向上が期待されます。また,新たな薬剤耐性の機序が判明すると,この機序を回避した,つまり薬剤耐性を起こしにくい新しい抗がん剤の開発に繋がります。
 
4. アルコール性肝障害および非アルコール性脂肪性肝障害の病態解明
 
 ウイルス肝炎が克服されつつある一方で,日本において肝硬変の原因疾患として比率を増やしているのが非アルコール性の脂肪性肝疾患とアルコール性の肝障害です。本研究室では,特に腸内微生物microbiotaに注目して上記の疾患の発症・進展メカニズムの解明を目指しています。具体的には,(1)microbiotaがどのように疾患に寄与するのか,(2)宿主はどのようにmicrobiotaを制御するのか,そして,(3)食事やアルコールはmicrobiotaと宿主にどのような影響を与えるのかに注目して研究を行っています。
 

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