機能性分子化学研究室
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研究内容

・生体機能性物質の分子認識を指向した高感度光学的検出試薬の創製
・遺伝子診断及び解析に必要な超高感度画像計測技術の開発
・生体内ペプチド及び核酸の機能解析研究
・転写因子の機能解析
・遺伝子異常に起因する疾病の治療を目指した新規機能性核酸の開発





1. 生体機能性物質に対する光学的分子認識用有機試薬の創製と病態解析に関する応用研究

 生命体のホメオスタシスやパソゲネシスに関与している生体内の新しい生理活性物質を発見し、 その機能を解明することは、生命科学的研究分野では極めて意義ある研究業績となっております。


 私達は、病態や生体機能の解明研究の一環として、 薬物を投与した病態モデル動物あるいは培養真核細胞内の重要な生体成分を化学計測し、 生命活動の重要な因子や病態因子と成りえる未知の機能性物質を見い出す研究を進めていこうと考えております。 そこで、これまで誰も計測できなかった生体内の未知の神経ペプチド類、アミノ酸などの発見を主な研究目標として、 新規の高感度化学計測手法の開発研究を行っております。この研究戦略として、 生体物質の分子内複数官能基を光学的に認識し得る新しい誘導体化法を構築し、 機能性物質を極めて高い感度で、かつ特異的に蛍光や化学発光法で検出し、LC/MSで解析する方法論を研究しています。


2. 遺伝子診断及び解析に必要な超高感度画像計測技法の開発研究

 最近、成熟体細胞の核を用いたクローン動物が誕生し、 生命の設計図である遺伝子やゲノムに関する生命科学的研究は驚異的な速度で進展しています。 このような研究の進歩の背景には、常に優れた実験技術や解析手法の開発がブレイクスルーとなっています。 約25年前、組換えDNA技術の開発が今日のバイオテクノロジーという分野の原動力となりましたが、 その後も、DNAの塩基配列の決定法、遺伝子異常の有無をスクリーニングするDNAのハイブリダイゼーションアッセイ法、 DNAを熱耐性酵素反応によって増幅するPCR法など、ノーベル賞レベルの解析手法が相次いで開発されております。


 私達は、現在、遺伝子解析や診断に必要な特定"DNAプローブやプライマーの分子数単位の新しい超高感度化学発光画像計測技法 の開発研究を行っています。この計測技術が実現化いたしますと、 遺伝子解析以外にも非放射性プローブとして、イムノアッセイ、細胞内の核酸や蛋白質のプロセッシング過程、 細胞膜におけるレセプターと伝達物質の結合過程などのダイナミックな解析手法に応用できるものと期待しています。


3. 転写因子の機能解明と応用研究

 ヒトゲノム計画により、ヒトの染色体には2-3万種類のタンパク質をコードする遺伝子が存在すると推定されています。 転写因子は、これら遺伝子の転写を調節しているため、生命活動においる重要な分子の1つです。 これら転写因子の機能解析は、生命現象の解明だけでなく、病気の治療や医薬品開発において重要なものです。

 私達は、代謝酵素遺伝子の転写を調節する転写因子の機能解析を行っています。 特に、転写因子-DNA間、および、タンパク質間の相互作用について研究しています。 また、病気の診断・治療を目的として、標的タンパク質と特異的に結合できる核酸(DNAやRNAアプタマー)の開発を行なっています。


4. 難治性疾病の治療を目指した人工核酸塩基の開発研究

 最近、遺伝子の異常を原因とする疾病の有効な治療法として、2006年のノーベル賞受賞研究である「RNA干渉」 と呼ばれる現象が注目されています。RNA干渉とは、細胞が本来持つ遺伝子発現の制御機構で、短い2本鎖RNAによって 特定のタンパク質発現が抑制される現象です。従ってRNA干渉は、正常タンパク質の機能を阻害することなく、 病原タンパク質のみを阻害できる可能性を秘めています。現在、世界中でRNA干渉法を疾病治療に利用する研究がなされていますが、 実際に臨床で用いられている例はほとんどありません。

 私達は、RNA干渉法の臨床応用の実現化を目的として、従来のRNA干渉法を改良する研究を行っています。 この目的のために、天然には存在しない人工核酸分子の開発を行っています。


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