Web研究室紹介


更新情報


  1. 就職状況:2023年度の就職データ追加(4/12)
  2. 薬学概論Ⅲ:講義実施内容のアップ(3/3)
  3. 研究室イベントなど全般的更新(12/7)

はじめに


 薬剤学研究室は、旧制度の大学院(1999~2010年)では臨床薬学専攻に所属していた経緯もあり、学部生の研究室配属では、薬学科5名以内、薬科学科3名以内、全体で5名以内と、やや薬学科よりの構成となっています。DDSおよびADMEの研究分野は、臨床および創薬の両面を持っており、薬科学科の枠はやや少ないですが、薬科学科生の配属は Welcome です。臨床・創薬分野で活躍できる有為な研究者(薬剤師)の養成を目標にしています。
 Web研究室紹介では、薬剤学研究室を可能な範囲で紹介していますが、薬剤学研究室への配属に興味がある方につきましては、LACS研究室紹介コミュニティでの情報収集、薬学概論Ⅲの受講、個別訪問を強く勧めます。


LACS研究室紹介コミュニティ


 薬剤学研究室に興味がある長崎大学薬学部生には、LACS薬剤学分野研究室紹介コミュニティを用意しています。研究室体験がオンラインでできて、具体的な研究内容や教育研究ポリシーのプレゼン動画を視聴できます。薬学概論Ⅲのコンテンツ(プレゼンやインタビューなど)も視聴できます。LACS薬剤学分野研究室紹介コミュニティに登録希望の方は、Forms にて連絡下さい。2023年度研究室配属希望者向けの研究室紹介動画をアップしました。

LACS薬剤学分野研究室紹介コミュニティ登録希望(Forms)


薬学概論Ⅲ


 薬学概論Ⅲは研究室配属調整開始前の2~3月に実施される研究室体験科目で、2年次生が受講できます。2022年度入学生からは正式な科目(0.5単位選択科目)となりました。昨年度の薬剤学研究室が担当する薬学概論Ⅲ2/15では、下記の内容を実施しました。薬剤学研究室への配属に興味がある方は、是非受講して欲しいものです。

  1. 教員(西田教授、麓准教授、宮元助教)による研究分野紹介と今後の研究展開
  2. 大学院生・学部学生による研究紹介プレゼンテーション(動画での対応)
  3. 卒業・修了した先輩からのメッセージ(動画での対応)
  4. 研究室見学散策・実験体験(血流測定、組織切片・透明化臓器観察、in vitro実験見学)
  5. 教員・研究室学生とのグループ懇談
  6. 希望があれば、時間外で個別相談可能


研究内容


 ドラッグデリバリーシステム(DDS)の新規開発と疾患時の薬物体内動態(ADME)機構解明による薬物療法の最適化を研究の柱にし、下記の三つの研究グループ(研究班)に分かれています。詳細は 研究テーマ を参照して下さい。また、これまでの学術論文については、研究業績 を参照して下さい。

  1. 新規DDS投与形態の開発(表面投与班:西田教授): 腹腔内の臓器表面からの吸収を利用したDDS製剤
  2. 遺伝子医薬品の体内動態制御(遺伝子班:麓准教授): 投与の条件に着目した安全な遺伝子治療、遺伝子導入促進剤の開発
  3. 臨床薬物動態学(動態班:宮元助教): 病態、薬物相互作用、各種生理的条件下の薬物動態

薬物治療の最適化
薬物治療の最適化へ向けた投与設計とDDSの役割


薬剤学研究室の特色


 研究内容からすれば、「薬剤学」研究室は、「薬物動態制御学」とか「分子薬剤学」研究室と呼ぶのが適切かもしれません。しかし、「薬剤学」の名称には愛着とこだわりがあり、設立当初から変わっていません。なんと、2020年(西田教授就任10周年の年)には60周年を迎えました。詳細は 研究室の歴史 を参照して下さい。
 他の医療薬学系研究室との違いとしては、薬物動態解析・制御が研究の基本になります。臨床では、TDM投与設計にすぐ活かすことが出来ます(薬剤学研究室で鍛えられて良かったというOB・OGの声をよく聞きます)。DDS製剤には詳しくなりますので、創薬の面でも強くなります。さらに、薬物療法に密接に関連する、病態や薬物相互作用などの知識も豊富になります。
 その他の面では、3,4年次には、DDS、薬物動態、統計解析、情報リテラシー、科学英語、研究スキル(実験ノートなど)に関する講義を行います。薬学科については、CBTおよび国試対策ではスペシャルメニューも用意しています。研究室の情報共有やコミュニケーションには、Web会議システム、Teams、LACSやMLなどICTをフル活用し、状況に応じて、オンラインによるセミナーやディスカッションを実施しています。また、薬学部では人数は多い方の研究室ですが(2023年度秋期:38名)、アットホームで自由な雰囲気で、教員や先輩からの懇切丁寧な研究指導およびフィードバックを実践しています。

  1. 薬学部にしかない研究室:薬物動態および製剤を、創薬や臨床に応用する研究室は、他学部にはないです。
  2. 生物を使用 (マウス、ラット、細胞):動物や細胞など生物を用いる実験に関する知識やスキルを獲得するには時間を要し、卒業後も様々な方面で活用できます。
  3. 幅広い知識が必要:実験研究を進めるためには、薬剤学はもちろんのこと、薬物治療、生理学、生化学や物理化学を始め、様々な実践的な知識が必要です。また、圧倒的な実力でCBTや国家試験を乗り越えるよう徹底指導します。
  4. 英語・PCスキル向上に重点:英語は研究で必須ですし、実験の性格上、統計や動態解析などのPCスキルが必要なので、英語と情報解析教育に力を入れています。


獲得目標(知識、技能、態度)


 What do you want to be able to do after graduation ? 下記のスキルを身につけながら、問題解決力、批判的思考力、課題提起力を磨いていくことが大きなねらいです。

  1. 英語 (文献、論文作成、英会話) :とにかく、研究や医療情報解析において必須です。
  2. プレゼンテーション、コミュニケーション:様々な発表会・セミナー・班会議、臨床実習、4年生事前実習の指導、グループでの協働実験で身についていくと思います。
  3. PC・オンラインスキル (ICT、情報セキュリティ対策) :実験データの解析およびセミナーによって、全体的なレベルアップを目指しています。オンラインコラボレーションも推進しています。
  4. 実験データの統計・動態解析:研究の性格上、必須な知識で、臨床でも有効活用できます。リモート研究の進展にも大いに役立ちます。
  5. 生物学的・物理化学的基礎知識、薬物療法に関する幅広い知識:研究を進めるにあたって、薬物治療、生理学、生化学や物理化学など、幅広い知識が身についていくと思います。また、卒後の有為な実践力養成のため、CBTや国家試験対策では妥協しません。


研究室スタッフ 2023年度


 西田教授麓准教授は京都大学大学院 薬学研究科 薬品動態制御学分野(旧 薬剤学講座)出身で、宮元助教は、久々の研究室生え抜きです。西田教授は、ターゲティング、薬物動態、麓准教授は、遺伝子治療、製剤修飾、宮元助教は、病態および薬物速度論と、それぞれ得意分野が異なり、一致協力して研究を進めています。研究室のスタッフについては、研究室員 を参照して下さい。
 大学院生および薬学科5年生以上は、各自研究テーマを持ち、教員の指導下、実験を進めています。生物を用いる実験はいろいろと大変なので、3,4年生はメンターの上級生に付いて、入念なケアを受けながら実験しています。


大学院生・6年生就職状況


薬科学科(修士M・博士D修了)就職状況

2012年度 長崎大学助教(D)
2013年度 宮崎大学医学部附属病院薬剤部(D)
2015年度 塩野義製薬(M)、大塚製薬(D)、医薬品医療機器総合機構(D)
2017年度 Guizhou Medical University講師(D:留学生)
2018年度 中国イーライリリー(D:留学生)、塩野義製薬2名(M)
2019年度 大塚製薬(D)、病院薬剤部2名(D)
2021年度 塩野義製薬(M)
2022年度 Pharmaron(中国Biologics R&D)(D:留学生)、博士後期課程進学2名(M)
2023年度 大塚製薬(M)

薬学科:6年生就職状況

2011年度 病院薬剤部3名、薬局、他大学医学部編入
2012年度 長崎大学病院薬剤部5名、薬局2名
2013年度 病院薬剤部2名、薬局2名
2014年度 博士課程進学(社会人)、薬局2名
2015年度 病院薬剤部2名、九州大学病院薬剤部
2016年度 長崎大学病院薬剤部2名、病院薬剤部2名、薬局2名
2017年度 病院薬剤部4名、公務員(佐賀県)、宮崎大学医学部附属病院薬剤部
2018年度 長崎大学病院薬剤部2名、京都大学医学部附属病院薬剤部、病院薬剤部、鳥居薬品、他大学大学院
2019年度 薬局2名、病院薬剤部
2020年度 広島大学病院薬剤部、地域医療機能推進機構、地方自治体病院機構3名
2021年度 宮崎大学医学部附属病院薬剤部、国立病院機構、CRO、薬局
2022年度 産業医科大学病院薬剤部、病院薬剤部、アステラス製薬、薬局
2023年度 横浜市立病院薬剤部、病院薬剤部2名、薬局2名

2011年度以前就職状況

製薬関連企業 塩野義製薬、バイエル薬品、田辺三菱製薬、ファイザー、アステラス製薬、エーザイ、MSD、マルホ、帝人、久光製薬、シミック、イーピーエス、etc
大学病院薬剤部 長崎大学、大分大学、宮崎大学、神戸大学、慶應大学、佐賀大学

 初の臨床薬学専攻の大学院生が卒業した2001年度以降は、様々な方面の臨床関係へ就職しています。また、長崎大学病院薬剤部には多くのOB・OGがいます(現在10名、兒玉副薬剤部長・准教授は、薬剤学研究室の出身です)。また、実践薬学分野の中嶋教授および医薬品情報学分野の川上教授も、薬剤学研究室の出身です。
 薬剤学研究室で培われる研究スキルを武器にして、薬学科の場合は、ADMEやDDSに強い臨床薬剤師として活躍して欲しいです。また、博士号や専門薬剤師などへのランクアップを目指して欲しいものです。がん専門薬剤師、HIV感染症薬物療法認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師などの専門薬剤師の資格を取得した薬剤学研究室OB・OGがいます。もちろん、製薬企業での研究・開発部門への挑戦も応援します。一方、薬科学科の場合は、製薬企業の動態および製剤の研究部門で十分に活躍できると思います。


各種発表会など

文献セミナー 研究室セミナー(1報、セカンド、ファースト、教育)
研究報告会 研究室全体セミナー中に随時
研究班会議 表面投与、遺伝子、動態班ごとのセミナー(参加者10名程度)
卒業論文発表会 学部全体の卒業論文・ポスター発表会
学位論文発表会 研究科全体の博士・修士学位論文発表会
3,4年生講義 DDS、ADME、統計解析、科学英語、研究スキルを中心
学会発表 薬学会、九州支部大会、DDS学会、薬剤学会、遺伝子デリバリー研究会、薬物動態学会、など

 様々なセミナー、報告会があり、得られるものは大きいです。学会発表 は啓発される良い機会ですし、他大学の研究者・学生との交流が深まります。中には、優秀発表賞などを 受賞 した先輩も数多くいます。学会の時には、薬剤学OB・OGと会うのも大きな楽しみの一つです。卒業までに、学会や研究会など外部で発表することを、大きな目標としています。


研究室イベント


 よく学びよく遊べでメリハリをつけて、自主自律(自立)が出来るように、入念なフィードバックを基本に研究指導しています。2023年度の研究室イベント(予定含む)は下記の通りです。また、OB・OGとの 同門会 を定期的に開いています。今後、釣りや研究室旅行を再開予定です。

2024年度研究室イベントなど予定

4月 春季歓迎会 5月 キス釣り、薬剤学会
6月 ドーナツ祭り 7月 DDS学会
8月 大掃除・お中元配付、暑気払い、お土産配付 9月 若手シンポ、薬物動態学会
10月 秋期歓迎会、薬学スポーツ大会、事前実習 11月 6年卒論発表会、九州支部大会
12月 和洋菓子祭り、大掃除・お歳暮配付・懇親会 1月 新年顔合わせ、基礎実習
2月 4年卒論発表会、修論発表会 3月 送別会、卒業式、薬学会

2023年度研究室イベントなど

4月 春季歓迎会 5月 薬剤学会
6月 ドーナツ祭り 7月 DDS学会
8月 大掃除・お中元配付、暑気払い、お土産配付 9月 同門会、若手シンポ、薬物動態学会
10月 秋期歓迎会、薬学スポーツ大会、事前実習 11月 6年卒論発表会、九州支部大会
12月 和洋菓子祭り大掃除・お歳暮配付・懇親会 1月 新年顔合わせ、基礎実習
2月 4年卒論発表会、修論発表会 3月 送別会、卒業式、薬学会