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柏葉健児 目次 背番号10

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師匠

 


平成7 年卒業 日宇 宏之

 私にとって市川先生と渡辺先生は師匠です。私は学生時には野球部、薬品合成化学教室に所属し、卒業後は研修生として大学病院薬剤部で勉強させて頂きました。進路についてアドバイスを受けたり、飲みに連れて行って頂いたりと、先生方には大変御世話になりました。そして、そんなに御世話になった私ですが、一度だけ渡辺先生とけんかをしたことがあります。合成の教室で飲んだ時です。ちょっとした意見の違いだったのですが、お酒がはいっていたこともあり、「頼まれてもおまえの仲人なんかせんぞ。」「先生なんかに絶対頼まんから別にいい。」(今思い出すと恐ろしいのですが)と、お互いにかなり熱くなったまま言い合ってその日は別れました。しかし、次の日酔いも醒めて反省し勇気を出して先生に、「昨日はすみませんでした。意見は変わりませんが、先生に失礼なことを言ったことを謝ります。」と言いに行くと、先生は「ええで、ええで。」と、あの笑顔で許してくれました。私は渡辺先生に、人に素直に謝ることと、それを受け入れる寛容の大切さを教わりました。(実験で習ったこともたくさんあると思うのですが、よく覚えていません。先生、ごめんなさい。)
 卒業後の大学病院での研修中に、私は医師になりたいと思うようになりました。そのころ、市川先生から自分の研究室に来てみないかというありがたいお話があったのですが、再受験の話を先生にすると、「君が思うようになさい。思いっきり挑戦しなさい。」と言って頂きました。市川先生は私にとっては雲の上の存在で、その先生から、「頑張りなさい。」と握手してもらったことは、非常に励みになりました。その後なんとか医学部に入れましたが、途中諦めそうになったとき、何度となく薬剤部部長室での市川先生との会話を思い出し踏ん張ることができました。
 本当に先生方には,数え切れないほど御世話になりました。まだまだ御世話になる予定だったのですが残念です。しかし、これからも師匠の暖かさと教えを忘れず日々精進していきたいと思います。

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