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同窓会長挨拶

同 窓 会 長     
西脇金一郎(昭和33年卒)

はじめに

遠藤先生

 今年、平成14年度の長薬同窓会総会は一抹の寂しさを感じた総会でした。それは「遠藤武男奨学金制度」の生みの親であり、近畿支部同窓会の重鎮でもありました遠藤武男先生(S11)のお姿がなかったからです。後日でお聞きしますと遠藤先生は今年度の長薬同窓会総会に出席して6年間の一病息災に係わる原稿を読み上げるように準備しておられたとのことでした。

 今思い出しますと私が同窓会会長を拝命した平成12年度総会の時、遠藤先生はご出席いただきました。その折、懇親会の余興として箸とハンカチを使って「矢切の渡し」のメロディーに乗せて足芸を見せていただきました。アカデミックな先生のご経歴以外に人間的な深みと幅広いご交友の中で得られたワザは周りの人たちに感動を与えていただきました。今は亡き遠藤武男先生に心からの御礼を申し上げると共に安らかなご冥福をお祈り致します。

今の学生は

 会長職を仰せつかって3年目になりますが、その間、私が感じたことを少しだけ述べさせていただきます。同窓会長として学部行事に公式に出席する機会には毎年3月下旬の卒業式・学位記授与式があります。私は昨年と今年の2回、式に参列させていただきましたが時代の変遷をまざまざと肌に感じました。一口に申しますと証書授与者のマナーに礼儀・緊張感がなくなっていたことです。衣装風体はともかく自分の名前を呼ばれても返事をしない、学部長の前に来てもお辞儀になっていない、証書をいただく時も片手で取る、そしてそのまま自分の席へ戻っていく。もちろん全員ではありませんが約7割の学生がそのような態であります。4年或いは2年間修了してきた証しである卒業証書、学位記は紙くず同然と思っているのか、形式的なものに反発しているのか、又これまでの教育・しつけの産物なのかよく理解できませんが、礼儀節度を重んじ、恩師を敬い先輩後輩の絆を大切に思って来た私たちの時代とはずいぶん違ってきたなと思う1日でした。
 しかし反面、若者たちの献身的純粋さにも触れる機会がありました。恒例になりましたぐびろヶ丘原爆慰霊碑周辺の清掃を今年も8月4日(日)に行いました。案内では午前11時の集合でしたが、丁度夏休みでもあるのに駆けつけてくれた学生諸君約20名は午前9時に集合し、清掃を始め、私たち長薬OBが集まってきた頃にはほとんど作業を終了していました。学生の身体の汗を見れば彼らにとっても楽な仕事ではなかったと思いますが、当然のことのように最後に全員が碑に線香を手向けている姿を見て、さすが薬学生と頼もしく嬉しく感じました。その後、昼食会場で恒例になった田崎和之先生(S22)の話を拝聴しましたが、今年は防空壕を掘っていて被爆された冨田恒夫先生(S20)の文章「忘れえぬ日」が朗読され、毎年のことながら胸が締め付けられました。その席で鹿児島の知覧から飛び立った特攻隊員は現在の大学2,3年生の年齢だったとのお話に思わず3年の某君が起立し、皆で彼を見つめ、この歳で自らの命を絶たなければならない戦争という行為は今後決して起こしてはならないと出席者全員が不戦の誓いを交わしたのでした。

3つのキーワード

昨年度総会以来、全国各支部会に出席しました際、私は今後の同窓会運営のために3つのキーワード「女性パワー」「協調性」「IT」の説明と協力をお願いしてきましたが、図らずも先ほどの遠藤先生のご遺言をもとに近畿支部では今年度6月総会で女性支部長に夏木 令子先生(S43・院)が誕生いたしました。女性パワーの代表としてのご活躍を期待してやみません。又、会費未納者対策として督促状を5年以上会費未納者634名に発送(9/25)し、結果的には約1割の方から約100万円入金がありました。今年は4年以上未納者を対象として督促体制をさらに強化していきたいと思います。「IT」による同窓会コミュニケーションも軌道に乗り、Eメールによる長薬eグループの会員も400名を超し、幅広い層から同窓会情報を楽しみに見ているとのメール返信、あるいは支部同窓会でのお話の中で暖かい激励をいただいております。

薬専歌集CDがこんなところで

 昨年作成しました薬専歌集CDは各地の支部同窓会で主として校歌斉唱の際、伴奏に利用されるようになりましたが、先般亡くなられたU先生(S25卒・鳥栖市)のご葬儀の際、ご遺族の計らいでBGとして流されたそうです。長薬をこよなく愛されていたU先生のお人柄が偲ばれてありがたく思いました。

平成15年度の総会は博多で

 15年度総会の開催地は福岡支部が決定いたしました。平成15年6月7日(土)に博多駅前の都ホテルを予定しています。福岡は交通アクセスもよく全国各地から最も集合しやすいところと思います。総会前後にクラス会を企画され多数のご参加を心からお待ち申し上げます。
 皆様方の今後益々のご健勝ご発展を祈念しご挨拶と致します。

以上

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