学部長写真 ご 挨 拶
長崎大学薬学部長 藤田 佳平衞

 同窓会会員の皆様にはお元気でご活躍のことと存じます。今年4月に学部長を拝命いたしました。昨年の今頃は,長崎大学の移転統合が評議会で決定されたことが話題の中心でしたが,1年たった今,問題となっているのは,大学改革と独立行政法人化です。これらは既に新聞などでご存じのことでしょう。長崎大学における改革方策策定の中間報告が今年12月にまとめられ,薬学部の改革案も含められる予定です。移転統合は現在はアヒルの水かき状態ですが,これは大学改革と独立行政法人化と無縁でない問題だと思います。

 大学院薬学研究科は,今年4月から臨床薬学専攻が発足し,既設の薬科学専攻(医療薬科学専攻を改称)と合わせてこ専攻になりました。その構成に関しましては,長薬同窓会報第38号(1998年)に前学部長芳本教授が記しておりますので詳細はそれをご賢下さい。臨床薬学専攻は,実務実習を重視すること,社会人の受け入れを特色としております。同窓会会員の皆様にもご利用いただければと思っております。初年度でありながら,定員16名をほぼ満たす14名の入学者(社会人2名を含む)を得,好スタートをきったことは喜ばしい限りであります。

 薬学部の入試に新しく推薦入試が採用され,今年4月から16名の合格者が勉学に励んでおります。今年の1年生は,講義への出席率がよく,教官の部崖によく質問に来るなど例年(?)にない熱心さが感じられる学年です。推薦入試の効果が出ているとすれば,これからもそうあってはしいものです。

 薬学部・薬学研究科は自己点検・評価を以前から実行してきましたが,今年は文部省の予算を得て,外部からの点検・評価を受けることになりました。学長・学部長経験者,学士院賞受賞者,薬学会などの学会賞受賞者など著名な方々に外部評価委員を依頼し,そのための資料を準備して,11 月と12月の中旬に薬学部・薬学研究科の教育・研究・組織などに対するご意見を伺う段取りになっています。私達は,この数年来の自己点検を適して薬学部・薬学研究科の活性度は着実に上がっていると信じております。さてどのような意見を賜るのでしょうか?このような外部評価の結果によって,近い将来,学部・研究科・大学に投入される資金・資源の量が決定されるようになると思われます。

 昨年の今頃以来,教官の異動が多くありました。臨床薬学専攻の薬物治療学に村田(育)教授が産業医大から赴任し,その助教捏には細胞制御学から藤原博士が異動しました。同専攻の医療情報解析学には衛生化学の中島教授,医療情報・分析学の高橋助教授が異動し,新しい教育研究体制を整備しています。細胞制御学には尾崎助教捏,薬化学に表助教授,分子病態学では榊原助教授の転出後,村田(興)助教授が就任しています。また徳山,向助手の転出,谷森,武田助手の退職に伴って,水野,川上,星野,江角助手が誕生しました。11月1日付けで薬品分析化学教授に黒田助教授(衛生化学)が昇任しました。こうした人事異動を10年単位で見ますと,教授はすべて入れ替わり,他の教官もはとんどすべてが昇任,転出,退職しております。新陳代謝が十分に行われることが,学生の教育(単なる学識の授与を意味するものではありません)と研究指導に必要な条件であります。

 大学は激動期に入っております。教育に対するまじめな取組と工夫,研究業績の質的な飛躍,社会との連携など,多くのことが益々大学に求められるようになることは必至です。このような時を乗り越えて薬学部・薬学研究科がさらに発展するために教官一同ベストを尽くしますので同窓会会員の皆様には温かく見守って下さるようお願いいたします。

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