岡山支部

支部長 村上  晃(昭33)


 現在岡山支部会員数は30名弱であり,地元定住者は約半数ですがあとは緑あって岡山在住となり病院,薬局等それぞれにて,ご活躍される元気旺盛な方々です。
 従来支部同窓会の呼びかけには,限られた同じ顔触れとなりごく少数の集まりとなって広がりを示さないのは,誠に残念なことだと思います。多様化の時代となって,会合を保つ事が難しくなってきた感が強く,世代を越えた魅力ある地方の同窓会とは何か?,創意と工夫が望まれるところです。
 一般論で恐縮ですが,人の一生を支えるものがあるとすれば,それは中国の孟子の戦術論ではありますが,まさに,く天の運 地の和 人の和>が人間ドラマの中でも幸運を呼ぶ三つの大きな要素ではないかと私は常日頃思っております。運も実力のうちと言いますが,その時代に合った感覚をもち,的確な判断をなしうる能力を磨いておくことが肝要であり,さらに今の生活をする場において,その地に適応するチャンスをうまく捉えることができるかどうか,それ以上に長い間に培った多くの友人,知人と交流を深めることこそが,人間の幅を広げる大きな力となり強い味方になつて心強い人生を営むことができるのだと思います。
 イソップ物語のなかで「アリとキリギリス」の逸話があります。「働くことは 善なり」とする国民感情,宗教的思考,経済的効果を優先する人にはアリの生き方を良としますが,他方では金を貯めることに汲々とするあまり友を失い,孤独となる淋しさよりは長い人生行路のなかで多くの友を得て,喜びを分かち合い共有することでお互いに助け合い励まし合っていくことが,どんなに潤いのある人生を過ごすことができるかを思えば,“キリギリスよ,おまえは嘆くことはないぞ,支援する多くの友がいるではないか,大いに頑張れ”といった見方もあるのです。
 世は将に内外ともに混迷の時代となって,各人の英知を問われているときです。支部会員各位におかれましては慌てず,騒がず,戦後最大といわれるこの苦境に押し流されることなく,なお一層のご健闘を切にお祈り申し上げる次第です。
 いつの日にか又,平穏な時代にロマンチックなムードを味わうことができますように願いを込めて,〈天には星 地には花を 人には愛を〉のことばを捧げます。地方の小さな同窓会の運営を考えるとき,生きていく美しさとは何かに思いを馳せて雑文でもって本年の報告とさせて戴きます。

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