グビロ会便り

久保田 煕(昭15)

 18年前,敬愛する母校出身の高取先生の訃報で集まった私達15年組の20名は,久方振りの再会だったことからクラス会の集いを思いたち,第1回を茂木の料亭で催した。あれから20年近くなるが毎年10数名の出席で賑わっている。
 今年は思い出の茂木で,しかも黄金のビワ狩りを楽しみに,5月末鹿児島,大阪,東京から馳せ参じたが,生憎天候が良すぎたことから,早期出荷のあとで,びわの味覚に接することは出来なく残念至極だった。
 茂木といえば,故小沢先生と昔,周辺山海をさまよい,あげくのはては天草まで羽をのばして,温泉での女性混浴に青春のシンボルの異状をきたし,浴場から出ることが出来なかった思い出がある。ホッホッホと楽しい先生の笑い声が聞こえるような気がする。
 私たち仲間は,医師になった兄たちが多く,耳鼻科専門の藤崎兄はいつもニコニコ顔ではあるが,高価な驚くなかれ数十万の補聴器を耳にするようになったことも面白い現象といえるだろう。
 来年世紀末の会合は,評判がよかった玉名温泉で催すことに全員賛同し,夢をいだき散会したのだった。
 我々も已に80の齢を迎えるが,老いて益々盛ん,紅葉を焚いて酒を温め合いつつ,いつまでも昔を語り今を論じ合いたいものである。

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